海と街と音楽とVol.50 神様のバラード

Nick Cave and the Bad Seeds / The Boatman's Call (1997)

こんにちは。海と街との代表の加藤です。

50回目となる今回は、ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズ(Nick Cave and the Bad Seeds)のボートマンズ・コール(The Boatman's Call)をご紹介します。

ニック・ケイヴは私にとって音楽の神様みたいな存在でして、どのアルバムもハズレがないし、ロンドンで見たギグは生涯ベストライブだしと、すばらしい才能だと思います。ただ、ウォーレン・エリス(Warren Ellis)といっしょにやっている一連のサントラはイマイチぴんと来なくて、ニック・ケイヴが脚本を書いた映画プロポジション -血の誓約-(The Proposition)も観ましたが、音楽ほど感動しなかったというのが正直なところです。

さて、このボートマンズ・コールはまだアインシュテュルツェンデ・ノイバウテン(Einstürzende Neubauten)のブリクサ・バーゲルト(Blixa Bargeld)がいたころの作品でバラード・アルバムです。

ニック・ケイヴといえば、その昔は暗黒大魔王なんて呼ばれていてテュペロ(Tupelo)とかマーシー・シート(The Mercy Seat)とかディアンナ(Deanna)とか激しくてぶっ飛んでいる曲が最高なんですが、ボートマンズ・コールにはそういう激しい曲はなくって、しっとりした曲ばっかり。

ただニック・ケイヴの曲は激しくてもメロディをしっかり聴かせる曲が多いんです。Bサイド&レアリティーズ(B-Sides & Rarities)というあるアルバムでマーシー・シートとかディアンナのアコースティック・バージョンが聴けるのですが、どれも静かでもいい曲なんです。

ということで、このボートマンズ・コールもいい曲が並んでいます。最新アルバムのゴスティーン(Ghosteen)ではポエトリー・リーディングとか賛美歌みたくなっていますが(これはこれでおもしろいのですが)、ここにはみなさんが想像するバラードが並んでいまして、じっくり堪能できると思います。

海って静かなときもあれば激しいときもあり、最も静かなのは波一つ無い凪の状態。最も激しいのは嵐とか台風の時。ニック・ケイヴも似ていまして、台風のようなバースディ・パーティ(The Birthday Party)時代もあればゴスティーンのような凪もあって、このアルバムは波の高くない穏やかな海みたいなものですかね。

船に乗って、潮風に当たりながら聴いてもらえたら、きっとその旅がより印象深いモノになると思うのですが、いかがでしょうか?


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Kato Toshiaki/加藤才明
海と街と株式会社代表。コピーライター/クリエイティブディレクターとして企業の広告やプロモーションの企画・制作に携わってきたノウハウを地域振興へ応用し、持続可能なソーシャルビジネスを実践。海辺からの町おこしを標榜する一般社団法人海洋連盟の活動もサポートしている。
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おまけ:海で聴きたいニック・ケイヴ名曲16選

【Nick Cave 01】
ニック・ケイヴ(Nick Cave and The Bad Seeds)の新譜ゴスティーン(Ghosteen)はポエトリーリーディングに近くなってきた。まさかの2枚組大作。慣れるまでに時間がかかりそう。今回は、後からじわじわ来るパターンかな?

【Nick Cave 02】
ニック・ケイヴ(Nick Cave and The bad Seeds)のデビューシングル、イン・ザ・ゲットー(In the Ghetto)。エルビス・プレスリー(Elvis Presley)のカバーですよ。ニックが若い。そしてエルビスよりもかっこいい!

【Nick Cave 03】
ニック(Nick Cave)とカイリーちゃん(Kylie Minogue)とのデュエットのフェアー・ザ・ワイルド・ローゼス・グロウ( Where The Wild Roses Grow)。 こりゃカラオケでもいけるかも?

【Nick Cave 04】
こっちのフェアー・ザ・ワイルド・ロージズ・グロウ(Where the Wild Roses Grow)はニック(Nick Cave)とブリクサ(Blixa Bargeld)のバージョン。

【Nick Cave 05】
こちらはニック(Nick Cave)とPJハーヴェイ(PJ Harvey)とのデュエットのヘンリー・リー(Henry Lee)。いやぁ、いい曲だなぁ。ほれぼれします。

【ニック・ケイヴ06】こちらはニック(Nick Cave)とポーグス(The Pogues)のシェイン(Shane MacGowan)によるホワット・ア・ワンダフル・ワールド(What A Wonderful World)。サッチモ(Louis Armstrong)が有名だけど、このバージョンもいいです。

【Nick Cave 07】
ぶっちぎりにかっこいいニック・ケイヴ(Nick Cave & The Bad Seeds)のマーシー・シート(The Mercy Seat)。1988年のシングル

【Nick Cave 08】
うひゃぁぁぁぁ。死ぬほどかっこいい。ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のトゥペロ(Tupelo)。ちなみにはトゥペロはエルビス(Elvis Presley)が生まれた土地の名らしい。

【Nick Cave 09】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のシップソング(The Ship Song)。ぐっと来ます。MVもお行儀いいし。

【Nick Cave 10】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のディアンナ(Deanna)。もう、どうにでもしっていうぐらいステキ。

【Nick Cave 11】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のゲット・レディ・フォー・ラブ(Get Ready For Love)。いやぁ、そんなこと言われても。…いや、がんばります。

【Nick Cave 12】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のドゥ・ユー・ラブ・ミー( Do you love me?)。答えはもちろんYesだよね。

【Nick Cave 13】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のレッド・ライト・ハンド(Red Right Hand)。この曲はアークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)もカバーしている名曲です。

【Nick Cave 14】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のフィフティーン・フィート・オブ・ピュア・ホワイト・スノウ(Fifteen Feet Of Pure White Snow)。このMVは元カザフスタン共産党中央委員会のビルで撮影されたらしい。海じゃなくて雪だけどね。

【Nick Cave 15】
1990年発表のウィッピング・ソング(the weeping song)。この頃がニック(Nick Cave)とブリクサ(Blixa Bargeld)の一番しあわせだった時期なのだろうか。

【Nick Cave 16】
ニック(Nick Cave & The Bad Seeds)のOチルドレン(O Children)。ハリー・ポッターと死の秘宝(Harry Potter & The Deathly Hallows)の映画のシーンでラジオから流れてきてハリーとハーマイオニーが踊る曲

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