海と街と音楽とVol.42 ジャジーな航海

Herbie Hancock / Maiden Voyage (1965)

こんにちは。海と街との代表の加藤です。

今回は、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の処女航海(Maiden Voyage)をご紹介します。

ハービー・ハンコックは80年代にロックイット(Rockit)という曲を大ヒットさせたのでMTV世代にはおなじみのミュージシャン。ロックイットでハービー・ハンコックを知った人にはヒップホップなイメージが強くて意外かもしれませんが、正統派のジャズ・ミュージシャンです。
なにしろ、あのマイスル・デイヴィス(Miles Dewey Davis)のグループのメンバーだったのですから。

マイルス・デイヴィスはモダン・ジャズの帝王なんて呼ばれていまして、クールの誕生(Birth Of The Cool)でウエスト・コースト・ジャズの方向性を示し、カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)でモード・ジャズの方向性を示しと常に革新の音を生み出す人で、ビッチェズ・ブリュー(Bitches Brew)ではジャズをぶっ壊してフュージョンを誕生させたりしたんですよね。

ハービー・ハンコックもお師匠(?)に習ってか、ヘッド・ハンターズ(Head Hunters)でジャズとファンクを融合させたり、前述のロックイットのようにジャズとヒップホップを融合させたりしていました。

そういえばマイルス・デイヴィスはルイ・マル(Louis Malle)監督の死刑台のエレベーター(Ascenseur pour l'échafaud)のサントラをやりましたが、ハービー・ハンコックもミケランジェロ・アントオーニ(Michelangelo Antonioni)監督の欲望(Blow-Up)のサントラをやっていて、こういうところも似ていますね。

で、この処女航海というリーダー作は、ちょうど帝王マイルス・デイヴィスと組んでいた頃の作品。まだエレクトロニクスの楽器やらファンクの要素やらは登場しませんが、大海原への航海をテーマにしたコンセプト・アルバムです。ジャズでコンセプト・アルバムって、めずらしいと思います。

アルバムタイトルにもなっている処女航海は船が海へ出て行くイメージが見事に音像化されていて、気持ちいい。ジ・アイ・オブ・ザ・ハリケー(The Eye of the Hurricane)とかドルフィン・ダンス(Dolphin Dance)とか、タイトルだけでもにんまりしてしまう曲が並んでいます。


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Kato Toshiaki/加藤才明
海と街と株式会社代表。コピーライター/クリエイティブディレクターとして企業の広告やプロモーションの企画・制作に携わってきたノウハウを地域振興へ応用し、持続可能なソーシャルビジネスを実践。海辺からの町おこしを標榜する一般社団法人海洋連盟の活動もサポートしている。

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