
XTC / Black Sea (1980)
こんにちは。海と街との代表の加藤です。
今回は、エックス・ティ・シー(XTC)のブラック・シー(Black Sea)をご紹介します。
XTCは70年代後半のパンク/ニューウェーブ期にデビューしたアンディ・パートリッジ(Andy Partridge)が率いるイギリスのバンド。解散はしていないらしいのですが、残念ながら2000年から新作が出ていません。しかし10数枚あるオリジナルアルバムの内、名盤と呼ばれているアルバムがいくつもありまして、その中でもブラック・シーは1〜2を競う傑作ですね。まさにニューウェーブの波に乗ってる感じです。
ちょっとひねくれたポップセンスがたまりません。
ひねくれポップはメジャー方向に行くとビートルズ(The Beatles)とかビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)に、マイナー方向に行くとモノクローム・セット(The Monochrome set)とかスパークス(Sparks)にたどり着く感じです。
一筋縄ではいかないポップセンスは、お笑いでいうとモンティ・パイソン(Monty Python)みたいな? そのまま出さずに1回か2回ひねって出すという。
あんかんべーするアインシュタイン(Albert Einstein)とか、高級車のロールスロイスをサイケデッリックに塗装したジョン・レノン(John Lennon)とか、自分お顔が最も有名なアート作品になっているサルバドール・ダリ(Salvador Dalí)とか。このセンスを音にした感じ。
ちなみにジャケットの潜水服とタイトルの黒海(Black Sea)といいうのは音の内容となんの関係もありません。
海とは関係ないブラック・シーと名付けたアルバムを、あえて海で聴くというのがXTCに対する正しいひねくれ具合だと思うのですが、わかりますかね?
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Kato Toshiaki/加藤才明
海と街と株式会社代表。コピーライター/クリエイティブディレクターとして企業の広告やプロモーションの企画・制作に携わってきたノウハウを地域振興へ応用し、持続可能なソーシャルビジネスを実践。海辺からの町おこしを標榜する一般社団法人海洋連盟の活動もサポートしている。
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おまけ:海で聴きたいXTC16選
XTCのディス・イズ・ポップ(This Is Pop)。初期の頃なのでまだまだ勢いがあります。というかやんちゃ。
デビューシングルに比べると格段に洗練されたXTCのメイキング・プランズ・フォー・ナイジェル(Making Plans For Nigel)。鉄工所で働いてるナイジェルのための歌。
XTCのテン・フィート・トール(Ten Feet Tall)。10フィートは約3mですね。ちなみにfeel ten feet tallで有頂天という意味になるそうで、ケラのバンド名はここから来たのか?
XTCのボール・アンド・チェイン(Ball and Chain)。ポップさに磨きがかかって、この頃から脂がのってきた。
XTCのセンス・ワーキング・オーバータイム(Senses Working Overtime)。こんな曲がすらっと書けるなんて、すげえな。
きた、XTCのワンダーランド(Wonderland)。いや、これは名曲。本当に大好き。アンディ(Andy Partridge)じゃなくてコリン(Colin Moulding)の曲だけど。
XTCのオール・ユー・プリティ・ガールズ(All You Pretty Girls)。船乗りの歌。
XTCのグラス(Grass)。トット・ラングレン(Todd Rundgren)のプロデュース。アンディ(Andy Partridge)はボロクソ言っていたけど、これはありだ。
XTCの覆面バンド、デュークス・オブ・ストラトスフィア(The Dukes of Stratosphear)のザ・モール・フロム・ザ・ミニストリー(The Mole from the Ministry)。サイケデリックで、ポップで、サージェントペパーズ(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)の頃のビートルズ(The Beatles)みたい。
XTCのサイドプロジェクトであるデュークス・オブ・ストラトスフィア(The Dukes Of Stratosphear)のユー・アー・グッド・マン・アルバート・ブラウン(You're A Good Man Albert Brown)。評判良くてセカンド・アルバムまで出したんです。
XTCのディア・ゴッド(Dear God)。名曲。子どもの声がかわいい。
XTCのメイヤー・オブ・シンプルトン(The Mayor Of Simpleton)。訳すと「単細胞の市長」でしょうか? この曲が収録されているオレンジズ&レモンズ(Oranges & Lemons)は、ジャケットからしてサージェントペパーズ(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)というかイエロー・サブマリン(Yellow Submarine)。
XTCのキング・フォー・ア・デイ(King For A Day)。熟成された、最高傑作かも。
XTCのバラード・オブ・ピーター・パンプキンヘッド(The Ballad Of Peter Pumpkinhead)。かぼちゃ頭だからね。もう完全にセンスがモンティ・パイソン。でも曲は最高!
XTCのアイド・ライク・ザット(I'd Like That)。もう完全にポップ職人の仕事。すばらしいクオリティ。
XTCのアイム・ザ・マン・フー・マーダード・ラブ( I'm The Man Who Murdered Love)。この曲が収録されているワスプ・スター(Wasp Star)からもう20年も音沙汰ない…。