
初心者のためのメスティンのはじめ方
メスティンとは
メスティン(Messtin)はいわゆる飯盒(はんごう)です。屋外でご飯を炊く調理器具の事です。ただこのメスティン、ご飯を炊くだけでなく、煮たり焼いたりといった調理にも使えます。しかも軽くて持ち運びやすいので万能クッカーみたいに呼ばれることもあります。
メスティンはいろいろなメーカーから発売されていますが、元祖はノルウエーのトランギア社の製品だと言われています。日本ではイワタニ・プリムスが輸入販売元。この記事はトランギア社のメスティンを前提に書かれています。
メスティンのシーズニング
メスティンを使い始める前にシーズニングという「慣らし」を行います。シーズニングをすると焦げやアルミ臭が低減されると言われていますが、推奨であって絶対ではありません。でもひと手間で長く気持ちよく使えるようになるのなら、やったほうがいいと思います。鉄製の調理器具であるダッジオーブンもシーズニングを行うことで有名ですが、こうしたひと手間かけることで愛着につながっていると思います。ぜひメスティンも愛着を持って長く使って欲しいと思います。
動画で見るシーズニングのやり方
2分ちょっとでシーズニングのやり方がわかります。やってみると難しくはありません。細かい解説や留意点は下の記事を参考にしてみてください。
かんたん!メスティンのシーズニング
①ハンドルを外す
まずハンドルを外します。ハンドルを横に引っ張れば、簡単に外れます。
ハンドルにはカバーが付いていて、ここを熱すると溶けてしまう場合があります。トランギア社の場合はハンドルカバーや換えのハンドルも売られているので、もしダメにしてしまった場合は参考にしてください。
②ヤスリでバリを取る
メスティンのフチがザラザラしていたり、トゲのようなものがある場合があります。これらをヤスリで削ってなめらかにしてあげます。ケガをするといけないので、バリ取りの際は手袋を忘れずに。
紙ヤスリは目の粗い400番ぐらいでざっくり削って、目の細かい1000番ぐらいでまろやかに仕上げるとうまくいきます。
③洗剤で洗う
中性洗剤で洗います。メスティンが傷つかないようにスポンジを使用するといいと思います。ヤスリの削りカスもよく洗い流してください。
④米のとぎ汁で15分煮る
メスティンが入る大きさの鍋を用意して米とぎ汁で満たします。メスティンを入れて、火にかけます。沸騰したら弱火にして約15分間煮込んでください。
うちは無洗米で米のとぎ汁がないという場合は、米粒を入れて煮れば似たような効果が得られます。量は大さじ1杯程度が目安です。
⑤冷えたら、すすぐ
15分ほど煮たら、火を止めて冷めるのを待ちます。熱いメスティンにいきなり冷水をかけると変形したりするので注意してください。
最後に水洗いすればおしまいです。このとき、米のとぎ汁でできた皮膜が流れてしまうので洗剤は使わないでください。
⑥シーズニング終了
冷えるのを待つ時間を含めて1時間もあればシーズニングは終了します。これでもう準備は完了。メスティンの調理を楽しんでください。
ちなみに効果が薄れてきたら②のバリ取り以外をまた行えばいいだけです。
メスティンのシーズニングのQ&A
Q:シーズニングは必ずやらなければいけませんか?
A:あくまで推奨なので、必須ではありませんが、やったほうがいいと思います。トランギア社以外の商品では、フチが丸く加工されてヤスリ作業が不要だったり、アルマイト加工されていてシーズニングが不要なものもあります。
Q:米のとぎ汁なんて用意できないのですが…
A:本文でも紹介していますが、お湯にお米の粒を入れて煮込むことで代用できます。無洗米やレトルトごはんしか使わないという方はこちらの方法を試してみてください。
Q:シーズニングした後は重曹で洗えばいいですか?
A:キャンプなどで洗剤代わりに自然にやさしい重曹を使う人が多いと思いますが、メスティンに重曹はNGです。アルミと重曹が化学反応を起こして黒ずんでしまいます。基本は水とスポンジだけで洗ってください。
もし焦げがひどい場合はクエン酸を加えた水で煮込むと焦げがはがれます。ただし皮膜もいっしょにはがれてしまうので、クエン酸を使った後は再びシーズニングをしましょう。